最近、本を読む時間をそっくりそのまま「逆転裁判3」をやる時間に充てていた。それ以外の時間もかなり充てていたかもしれない。

 このゲームのシリーズは、他に類を見ないもの。所謂コマンド総当り式のアドベンチャー部分で裁判の証拠品をかき集め、法廷パートでそれを使って検察側から依頼人を守るために弁護を繰り返すと言う内容。とは言うものの、内容はシンプルで、検察側が「繰り出す」(と言って良いだろう)証人達の嘘や思い違いの矛盾を暴く。具体的には、証言している内容に矛盾があると感じた時点で証拠品をせんたくするだけ。

 実に面白く、爽快。今回も堪能させてもらった。肥大化していくゲームと言うエンターテイメントにあって、少人数アイディア重視の姿勢を貫いているせいもあるかもしれないが、サクサクとテンポよく進む。何より、音楽の効果というものを改めて思い知らされた。
 正直、それが何であれ表現の媒体において、自分が音楽の影響を軽視していた感は否めない。音楽に疎いと言うのもあるかもしれないが。特に、豪華な音楽ばかりになってしまった昨今においては。

 音楽には、それ自体で楽しむ時は全く別として、BGMとして使う時には、絶対条件が一つあると勝手に思っている。それが、「脇役に徹して、主役(TVであれゲームであれ)の邪魔をしない」事。その上で、いわば良いBGMの必要条件となるのが、「主役の味を倍加するばかりでなく、終わったあとも覚えていられる」事。
 現代音楽とか、全くわからない僻みで言っているかもしれないと言う自覚はある。ただ、フレーズを全く思い出せない音楽はどうかと思う。とりあえず、スーファミまでのBGMはもうちょっと覚えていられた。最近の金がかかっているだろうBGMは、思い出せない事が多い。

 しかし、このゲームでは音楽によって主役全体の印象を何倍にも押し上げる事が出来るのだと唸らされた。

 ひょっとしたら、昔っぽいピコピコ音に近いという事もあるかも知れない。が、どんな事でもそうなのだが、何でも出来て、何もかもやってしまうと印象がぼやけてしまう。本当に良い物は、やりたい事を何でもやった上で、ギリギリまでそこから殺ぎ落として削る事から出来上がるのではなかろうか。(星新一のショートショートが偉大である所以である。)ファミコンに近いピコピコ音であるが故に、うまい具合にシェイプアップされたのかもしれない。

 ひょっとすると、最近のレトロブームもそういうところにあるのかもしれない。

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