『日本語誤用・慣用小事典』を読んでみた。ちょっと古い本なのだが。

 読んでみると、それはあんまりだろというような誤用が目を引く。著者は若者を舐めすぎじゃないかと思ったりもしたし、91年という時代がそうさせたのかもしれないとも思ったが、どうなのだろう。「気が置けない」と「気が置ける」などはよく聞くが、実際に間違って使っている人を聞いた事が無いのだが。

 とは言いつつも、思わず沈黙したり赤面してしまうような例もあったので、恥をしのんで公開しよう。

 ・「おざなり」と「なおざり」
 おざなりは、不真面目でも、とにかく何かに取り組む場合に用いられるが、なおざりの方は必要な事をしない場合に用いられるらしい。「修理をおざなりにした」は不十分であれ修理をした場合に使われるが、「修理をなおざりにした」はほったらかした時に使われる。

 ・「お世話様でした」と「お世話になりました」
 前者は、別に世話になっていなくとも儀礼的に使う、という言葉らしい。様をつけたから丁寧になるというわけではないとか。

 ・「解熱」と「下熱」
 「下熱」はパソコンでも出なかったが、「解熱」
は熱を下げる事で、「下熱」は熱が下がる事だとか。

 ・「食間」
 食べている最中ではない・・・わかっていた様なわからなかったような。食べる前にも後にも食物が胃にあっては不都合な薬の時には食間が使われるらしいが、これは分かりにくくないか。

 ・「故障中」
 こんな言い方はしないとか。人間が活動してるわけでもないのに「中」はつかない、単に「故障」で良いらしい。言われてみるとそうだが。

 ・「読み出すうちに」
 「読み進むうちに」の間違い。「読み出す」は一時点を含む言い方だから、「うちに」とはそぐわない。結構使っているかも。

 ・「寸暇を惜しまず」
 分かっていても、使ってしまっているかもしれない言葉。寸暇は惜しむものである。

 ・「汚名挽回」
 挽回するのは名誉であって、汚名を挽回してどうする。汚名は返上するものだが、これも分かっていながらついつい、という言い方かもしれない。

 ・「押しも押されぬ」
 正しくは、「押しも押されもせぬ」。これは確実に使っているな。ただ、別に構わないのではと思ってしまうのはまだ若い証拠だろうか。

 ・「体調を壊す」
 「体を壊す」もしくは「体調を崩す」が普通なのだが、これもやばい。良いじゃないかと開き直ってみる。が、折角だから言葉は正しく使いたいかな。

 ・「的を得る」
 「的を射る」と「当を得る」の混合のようだが、分かっていてもという部類に入るか。悔しくすらなってくる。

 ・「波紋を投げる」
 「石を投げる」と「波紋を広げる」の混合。目からうろこと言うか、叫びだしたい気分。

 ・「話題を集める」
 「注目を集める」と「話題になる」の混合だが、この頃になると著者も肯定的に捉え始めてはいる。しかし、言われてみるとそうだな、と思う事には変わりが無い。一般的だが、マスコミやら作家はいい加減なものだ。
 
 ・声を「荒げる」
 正しくは「荒らげる」。もはや正しい形を知りもしない。そうだと聞いてもピンとすら来ない。日本語は荒廃してるのか。

 
 意外とたくさんあったものだ。ネットとはいえ仮にも人前で文章を書くからには、こうした間違いには気を配っていきたい。言葉とは常に進化しているものだから、どれも単純に間違いだとは言えないかもしれないが、それは違うと聞いて、「あぁそうか」と納得するものに関しては、開き直らずに改めていきたいなと思っている。

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