「戦争広告代理店」
2003年1月14日 高木徹のこの著作を読んだ。
ボスニア・ヘルチェゴビナ、ユーゴ紛争においてアメリカのPR会社が果たした役割を描き、NHKスペシャルでも放映された作品だ。
衝撃的な本だった。
戦争、政治、外交における広告宣伝の大事さと言うのはわかっているつもりだったが、まさかそれを商いにして儲けている会社があろうとは寡聞にして初耳だった。
しかも、果たしている役割が並大抵ではない。ミロシェビッチの悪役化はともかくとして、各国首脳部とのパイプつなぎに有名TV番組へのアプローチ、それらはおろか
「民族浄化」という言葉すら彼等の手によるものだったとは・・・
このPR会社がなければユーゴ紛争は全く別の道筋をたどったであろう事が予想される。国内のみに目を向けていたせいで「第二のヒトラー」とみなされたミロシェビッチが哀れにも思える。
時折そのやり方に疑問を抱きつつも、全体としてこのPR会社の手腕を褒め称えるつくりになっている。いわば必要悪、といったところか。
たしかに必要悪なのかもしれないが、釈然としない。有刺鉄線の内側から外の痩せ細った人を撮る事で、あたかも収容所であるかのような写真を作る、「どちらが悪いという事もない」と言った将軍を追い落とすといったやり方は、許されるのだろうか。これに比べれば中国の情報操作など、杜撰で幼稚なものだ。
しかし、中国や韓国が例の歴史問題でこのPR会社を雇ったら・・・と想像するとぞっとする。
逆に日本はこれくらいした方がいいのかもしれない。日本外務省の外交手腕など、幼稚どころの話ではなかろう。
ボスニア・ヘルチェゴビナ、ユーゴ紛争においてアメリカのPR会社が果たした役割を描き、NHKスペシャルでも放映された作品だ。
衝撃的な本だった。
戦争、政治、外交における広告宣伝の大事さと言うのはわかっているつもりだったが、まさかそれを商いにして儲けている会社があろうとは寡聞にして初耳だった。
しかも、果たしている役割が並大抵ではない。ミロシェビッチの悪役化はともかくとして、各国首脳部とのパイプつなぎに有名TV番組へのアプローチ、それらはおろか
「民族浄化」という言葉すら彼等の手によるものだったとは・・・
このPR会社がなければユーゴ紛争は全く別の道筋をたどったであろう事が予想される。国内のみに目を向けていたせいで「第二のヒトラー」とみなされたミロシェビッチが哀れにも思える。
時折そのやり方に疑問を抱きつつも、全体としてこのPR会社の手腕を褒め称えるつくりになっている。いわば必要悪、といったところか。
たしかに必要悪なのかもしれないが、釈然としない。有刺鉄線の内側から外の痩せ細った人を撮る事で、あたかも収容所であるかのような写真を作る、「どちらが悪いという事もない」と言った将軍を追い落とすといったやり方は、許されるのだろうか。これに比べれば中国の情報操作など、杜撰で幼稚なものだ。
しかし、中国や韓国が例の歴史問題でこのPR会社を雇ったら・・・と想像するとぞっとする。
逆に日本はこれくらいした方がいいのかもしれない。日本外務省の外交手腕など、幼稚どころの話ではなかろう。
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