ギョレメ〜デニズリ

2002年12月14日
 朝一番で、宿のおばちゃんにアップルティーをもらう。

 トルコ人は、本当にチャイが好きだ。飲まない日はないのだろう。それも砂糖を二個入れるような甘いやつを。普通のチャイのほかにはアップルティーが有名だが、他にも数種類あるらしい。個人的にはアップルティーが好きだが。

 地下都市へ行こうとしていたら、宿の主人が登場。このオヤジは景気がよいらしく、なんとちょっと離れたところに大きい宿をもう一つ建ててしまったのだという。わざわざ車を使ってまでも、そこを見て欲しいと言う。宣伝なのだろうが、自分の「城」を人に見せるのが嬉しくてたまらないといった表情が微笑ましくて、歩いて2分の距離を、車を使って見物に。
 確かに大きい。キッチンもあって自由に使えるらしい。良さそうだ。そして韓国人多し。朝飯を食っていたのは全員コリアンだった。チャイを飲みつつオジさんのサズを聞いてちょっとの時間ゆっくりし、地下都市へと向かう。

 ドルムシュという乗合バスに乗って、まずは隣町ネヴェシヒルへ。

 ここで降りて、さぁどのバスだろうかとあたりを見回していると、すぐにそれらしきバスを発見。かなりツイている。バス内では、となりのオジさんが「ジャポン、16、コリア、4」などと身振り手振りで表してくる。
 失礼な。
 とは思わない。健闘を讃え合っているつもりだろう事がありありと見て取れたからだ。

 デリンクユへは30分程度で到着。到着すると同時に、バスの待合所の前に立っていたオジさんが、「帰りはここに戻って来い、ここに。地下都市はあっちだぞ」と身振り手振り、英語を交えて熱心に教えてくれる。すわツアーの勧誘か!?と身構えていた身としてはまたしても肩透かし。良い方に。

 地下都市はじめじめと暖かい。雨上がりの暖かさに近いが、こういうのは好き。何でも3000人からの人数を収容し、同じ様な都市が数十から数百あったという話だが、かなわないのは天井の低さ。腰が痛くなる。
 思った。ドラクエの洞窟は、ありゃ無理だと。剣なんか振るえない。
 ガイドには、敵の侵入を防ぐ為の扉があったと書いてあったが、燻り出されないかも疑問。

 ここで手持ちのフィルムを使い切ってしまったので購入。田舎町は販売個数自体が少なく、しかも高い。一食分は取られた。が、人の心は素晴らしい。観光スポットはあっても滞在するような町ではないからだろう。
 そりをして遊ぶ子供達を微笑みながら見ていたら、一人の母親が「あの子は私の子なのよ」とはみかみながら、けど誇らしげに言ってきたのが印象的。
 昼食のレストランでも、珍しいのかどうか分からないが、手伝いの少年がちらちらこちらを見てくるので思わず一緒に写真を撮ってしまった。

 帰り道の、バスの待合所は、ストーブが置いてあり、実に暖かい。そこで待つ男達が6,7人。1時間くらいは待っただろうか。そのためレモンチャイを二杯振舞われる。誰が出してる金で振舞われたのかがよく分からないが。ひょっとしたら男達の単なる憩いの場所だったのかもしれない。
 ここでもカイロが大人気。一人に貸してあげると俺も俺もと大盛況。一日は終わっていない為、プレゼントは出来なかったが、できれば置いていってあげたかった。それほど興味津々。
 
 バスに乗って今度はカイマクルの地下都市へ。
 こちらの方が観光客は多かった。恐らくネヴェシヒルから近いためであろう。中身もさして変わるわけでもなし。日本人のツアーとも遭遇。
 
 さて帰り道のバスを探そうかと思っていると、後ろから丁度そのバスが走ってくる。なんとも都合の良いタイミング。こういう日もあるものだ、と呼び止めて乗車。

 バスを乗り継ぎ、ギョレメへついたのは4時過ぎか。困ったのは両替。ほとんど金が尽きていたのだが、土曜日という事もあり、PTTを始めとした全ての両替機関が閉まっていた。手持ちがないというのはかなり不安を感じるもの。

 だのに、夜飯は高めの郷土料理を頼んでしまう。ツボに料理を入れて煮込み、客の前で割って振舞うという豪快なもの。味の方も抜群。充実した食事。
 ここでは三度韓国人と会う。今度は2人だったが。一人は曹クン兵役直後。一人は催サン27歳だったか。この2人との会話は面白く、興味深いものだった。
 兵役嫌いの曹クンは日本語で「ヘンタイ」。催サンは「オヤジ」。そうお互いを紹介していた。とんでもない日本語ばかりが広まるものである。なんでも、「おでん」も広まっているらしいとか。
 「ヘンタイ」らしく、日本のマンガに詳しい。多分負けたと思う。ドラゴンボールは当然、ベルセルクにカイジに、龍-ロン-、バガボンド、沈黙の艦隊、あげくに知らないマンガまで熱く語っていた。「ジブリでベストはラピュタだ!」等等。日本文化の影響はアジアに多大な影響を及ぼしている事が分かる。本人言うところによると、韓国のマンガが4に、日本のマンガが6、くらいの割合だそうな。
 2人とも、日本の地名もわかり、しまいにゃ巨人と阪神まで。それに比してこちらの韓国についての知識の乏しい事・・・

 話を終えて宿に戻り、バスの時間を待っていると近所のおばさま方が、続々と集まってくる。夕食でも食べるのかと思ったらただのおしゃべりらしい。更には「ESEN」の話を自分から聞いた曹クンまでがやってきて、たくましくも値下げ交渉を始める始末。なにやら騒然とした雰囲気に。

 そんな中、やはりというか、話題を席巻したのはカイロ。少年にプレゼントすると、興味を示すおば様方。あげると言って何個か渡すともう奪い合い。「彼女は私の娘なんだからね、まず私に頂戴。」などと、目がマジだった。
 ただ、足の先がすごく冷えてそうなので、気持ちはわかる。年を取ったおばあちゃんは、不思議そう、かつ本当に嬉しそうであった。
 なんとも楽しいひと時であった。

 宿を出て、乗り込んだバスは、度々小休止しながらも一路デニズリへ。

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