チケット

2002年9月6日
土砂降りの中、上野で開かれているシルクロード展に足を運ぶ。

 恐らく炊き出しだろうか、ホームレスの皆さんが集結しているのを横目に見、「あれは俺ももらえるのだろうか」などと口走りながら入場券売り場にたどり着く。

 入場料は大学生900円。連れ合いと一緒に、財布を取り出そうとごそごそやっていた所によくわからないおじいさんが登場。「一緒に入れるよ。」と言ってくる。

 何がなんだか分からず、無視しまくっていたのだが、取り出した手帳にあった文字。
 
 『被爆者手帳』
 
 分かった。
 2人までタダで入れるから、一緒に入ろうじゃないかと言ってきてくれたのだ。
 何を言っているのか分からず、ちょっと変な人なのだろうと思ってしまった自分が恥ずかしい。

 長崎から来たと言う。
 あっけからんと言ってはいるが、そのシャツの中にはまだ傷跡が残っているのだろうか。その人生に思いをめぐらせてしまう。

 2人で出かけるとこういう事が多い。野球を見に行っても、中年夫婦にあまったチケットをタダで譲ってもらった事がある。
 多分、自分の人徳ではない。

 どちらかと言うと、何かをしてもらうよりも何かをしてくれと頼まれる方だ。写真を撮ってあげたりだとかは多い。

 ちょっと昔の話だが女子高生の一団に写真を頼まれた事がある。快く撮ってあげた。勿論。
 「ハイ、チーズ」「・・・(チーズだってぇ)(ぷ)」

 トラウマとなった事は言うまでもない。以来、絶対にチーズとは言わなくなった。
 それにしても恐るべし。いつからチーズは死語になったんだ。躊躇った挙句に使ったのではなく、迷いなく使っただけにそのダメージは大きかった。

 かといって黙ったまま撮るのも如何なものか。どうすりゃいいんだ。

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