16ビットの微熱

2002年8月4日
 「RPGにストーリーを追い求めるのは、ゲームとしてだけではなく感動を求めるから」

 そんな反論があった。

 しかし、言いたい。ドラクエ3をリアルタイムでやっていた人間があんなにも感動したのは何故か。ストーリーではあるまい。あの物語をそのまま小説に起こしても、駄作中の駄作である。同じ事はプレステ以前のFFにも言える。

 「物語を見た」のではなく「冒険をした」からあんなにも感動したのではないか。それこそがゲームの存在価値である。
 ストーリーを追いたいなら本を読めばいい。
 ストーリーを体験したいからゲームをするのである。

 ちなみにドラクエ7は物語としては稚拙に過ぎると思う。なんで主人公が戦わなくてはならないのか。命をかけるに値するのか。意味が分からない。お遊びで命がけの冒険をした主人公がたまたま世界を救うってあんまりだ。それでも面白いのが本当に旅をしている感覚がそこにあるからだろう。逆にいえばその感覚を持ち得ない人はRPGには向かない。
 エピソード集としては優れていたが。

 話が飛んだが、長すぎるロード時間はこれと密接に関係する。作り手が演出過剰になっているのだ。

 「自分がやりたい事」がどうしても先に来るからロード時間が重くなる。作り上げられた自分のイメージを寸分違わぬ形で伝えようとするからそうなってしまうのだ。
 「受け手に楽しませる事」を先に考えればそんな事はないだろう。「見せる」ではない、一緒に「遊ぶ」という感覚が大事なのだ。PLAYするのだから。

 そういう意味でロード時間自体にではなく、演出にも問題がある。
 「ストリートファイター2」に代表される格闘ゲームの「キャンセル技」。これは操作している時間を少しでも削りたくない為に生まれた動作だ。
 そう、操作している時間=遊んでいる時間、なのである。

 どんなジャンルでもそうなのだが、何か作品を作る時に大事なのは「削る事」なのである。肉付けする事ではない。そしてそれが出来てるものは高品質の確率が大きい。
 つまり、あえて言い切るならばロード時間、そして演出時間が長いゲームはそれだけで既に作品として劣っていると言える。

 友人Aよ、「ヴァルキリープロファイル」「幻想水滸伝2」あたりはロード時間が少なくしかも面白かったぞ。ストーリー的にも良い。
 「ペルソナ」シリーズはゲーム性の問題を物語が超越してしまった珍しい例。

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